カープが3連覇する前の話。新球場になったけど、ごく普通にチケットも買えて、時間と相方とのタイミングさえあえば、球場に行って応援することができた。応援グッズが欲しくて、サンバイザーとリストバンドを買った。サンバイザーはカープのロゴだけが入ったものだけど、リストバンドは赤いタオル地に選手別の背番号が刺繍してある。つまりはどの選手のかを選べる。
迷うことなく、63を選んだ。
「将来、必ず伸びる選手だから……」と評論家風に言いたいところだが、そのときはただの直観。勿論、好きな選手だったし、これから来る、という期待を込めて……。
背番号はいつの間にか、63から9になったけど、その選手は「カープ不動の3番」と呼ばれるようになった。そして2年連続セリーグMVPという化け物に成長した。
お正月の風物詩と言えば、箱根駅伝。(諸説有)うちのじいちゃんなんて好き過ぎて、わざわざ録画して何度も見直してた。シード権を獲得した大学10校と、予選会を通過した大学10校の計20校で争う駅伝。走ることには違いないが、個人戦であるマラソンとは違う団体競技。区間によって、道のりも違うし、きっと戦略もあるだろう。(詳しくないのだが)
見ているだけでも、過酷な競技だと感じてるし、優勝する大学は、個々の能力もあるだろうけど、勝利への執着と団結力が絶大だったのではないかな、と思う。
実は、20校ともう1チーム参加する。それは関東学生連合チームというもので、出場権を得られなかった大学の中から、予選会で個人成績が優秀だった選手が抜擢されて、構成されるチームである。予選で漏れた大学からとは言え、優秀な選手が集められてるわけで、野球に例えると、きっと少し地味なオールスター。
だけど、関東学生連合チームが1位になったことはない。(記録は付くが、順位は付かないけれど)
優秀な選手が集まって、一時的な団結力を持ったとしても、苦楽を共にした信頼には勝てないのかな、って思った。それに、連合チームを応援するってヤツはレアだろうしね。
結局、背番号9はFA宣言をしてジャイアンツに行くことになった。地元のロッテに行くんじゃないかとか、カープに残るんじゃないかって噂されてたけど、やっぱりジャイアンツに行った。
寂しいけど、動機なんてどうだっていいじゃないか。今だって俺だけじゃなく、みんな背番号9が好きなわけだし、カープを応援して一喜一憂することには違いないし、相変わらずチケット取れないのは変わりないことだしさ。
優秀な選手を集めて補強したところで、変わらないこともあるだろうし、4連覇することもあるだろうしね。
しかし、俺のリストバンドは何処に消えたのだろう……。
[0回]
PR