寄りてこそ それかとも見め たそかれに ほのぼの見つる 花の夕顔
言うまでもなく、源氏物語である。
この歌は、源氏が夕顔の君に返した歌である。色々な解釈があるが。みすぼらしい住居のわりには、教養の高い夕顔の君に一目惚れした源氏が身分を隠して誘う、源氏と夕顔との最高の瞬間である。
もっと寄ってみないと誰かとは分かりませんよ? 美しい花の夕顔を黄昏時にぼんやりと見ただけなのだから。
ぐらいの解釈だろうか。なんてことない歌だけど、源氏物語の序盤において、この瞬間が最高なのである。源氏が夕顔と恋に堕ちた瞬間である。
だが、ロミオとジュリエット、貫一とお宮と並ぶぐらい、源氏と夕顔は切ない恋人同志である。三大悲しいカップルである。
ちなみに、源氏物語は日本最古のホラー作品だと言われる。初めて生霊というものが出てくるからである。霊という表現をした、最初の物語である。最古のホラーであり、悲しい恋の物語をいつかは原文で読みたいと思う。
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