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道化師たちのリビドー Re boot

Libido of clowns
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04.05.11:12

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12.15.16:50

猫のしっぽ カエルの手

 娯楽が増えすぎたのか、コンプライアンスのせいだろうか、いつからかあまりTVをつけなくなった。それでも、もっとも気軽な娯楽な一つであるのか、一日の始まりに番組表を確認してしまう。普段は決まったTVしか見ない。それでもなかなか興味が持てる番組は見つからない。


 数年前、いくつかの大事なものを失って、暗い部屋の中で気を失いかけていた。エアコンの風が当たっても悪寒が走るし、毛布に包まってみるも暑くてたまらない。あと数秒で世界が終わるんじゃなかっていう感覚に陥った。絶望だった。


 電気は付けないけど、TVを付けようと思った。照明は明るくてたまらないから、TVの光ぐらいがちょうど良かった。
 付いたTVはNHKだった。植物が育った、それも手入れされた庭で海外の老女性が話している。最初のうちは無感情で眺めることしかできなかったけど、しばらくすると、話している内容が頭に入ってきた。イギリス人の彼女はインドを経て、日本に辿り着き、京都の古民家を改築して、庭で育てている植物を紹介しながら独特な思想で、豊かに暮らしている映像は魅力的に見えた。

 のちに名前を知るのだが、植物と古いものを愛すとても有名な方だった。

 猫のしっぽはエノコログサ、ねこじゃらしってことだよね。
 カエルの手は楓、カエルの手に見えるからだよね。

 こんな可愛い発想に癒された。暗い部屋で何も抱いてなくて、何も持っていなくても。


 それから、この番組を観るようになった。録画してまで。

 本も買って読んでいます。クリスチャンにとってのバイブルのように。

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12.12.16:05

Japanese Hard Boiled Soul Food



 子供の頃はあまり好きではなかったのだけど、今は不意に食べたくなる。特にこの時期には。


 あまり好きではないまま、うどん県に行くことになった。うどん県というぐらいだから、うどん屋がすこぶる多い。うどん屋のカウンターには高確率でそれが置いてある。みんな当たり前のように、それをいくつか皿に取り、うどんを注文する。いつからか、俺も真似をするようになっていた。辛子を付けて食べるものだとばっかり思っていたが、うどん県のそれは辛子味噌を付けて食するのが常だった。
 アルコールを覚えてくると、むしろそれが好きになった。
 いくつかの具材を好んで食べるようにはなったが、それでも大根は避けて通った。大根だけはどうも好きにはなれなかった。

 やがて、アルコールを必要以上に飲むようになり、年をとった。好むどころか、自分で作るようになった。

 大根とこんにゃくに隠し包丁を入れ、それらとじゃがいもは事前に煮込んでおく。ゆで卵を作る手間も気にならない。出汁は、昆布と鰹節でしっかり目に取る。練り物は食べる少し前に入れて、蓋をして眺めて待っている。手間を掛けて取った出汁の香りが蓋から溢れる。
 蓋を開けると、出汁が染みた大根が目に入る。やっぱりこれがないと始まらない。煮崩れしないように太目に切ってある。

 自分で作ってみると、なかなか美味しいのではないかと一人で笑っている。煮込めば煮込むほど美味しくなるのではないかと錯覚して、煮込んでみるけど、じゃがいもが煮崩れしただけで更に笑う。

 昨日の昼食も夕食も、今日の昼食も、おそらく今夜の夕食も。しばらく食べなければならない。

 
 昔、TVで見たコントの風景、おでんの屋台に、日本酒に、スーツ姿のくたびれたサラリーマン。
 
 俺はスーツすら着てないけど、それでも一人で部屋で笑っている。

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